今年もキャンプの季節となりました1
こんにちは。石田智巳です。
今日は,8月28日(木)と29日(金)に行われる野外実習(キャンプ),通称PSTキャンプについて書こうと思います。
今日は,記念すべき第1回のキャンプの思い出です。
どうしても,現在も行われているキャンプの初期設定が,どのようになされたのかを書いておきたいと思ったからです。
では,どうぞ。
今年もキャンプの季節がやってきた。
といっても,単なるキャンプシーズンが到来したという意味ではない。
専攻の学生と一緒にキャンプをするという企画の季節である。
僕は2008年に立命館に来たので,これで7年目になる。
その前の2007年に子ども社会専攻ができて,第1期の学生が入学した。
僕が立命に来たのは,1期の学生達が2回生になったときのことだ。
だから,来てから毎年やって,今年で7回目になる。
私学の大手立命館に来たときは,全く勝手がわからないでいた。
とりあえず,初等教職課程があるので,そのための設備を充実させること,専攻の伝統を作ることが最初の頃の使命だと思った。
この専攻で,自分は何ができるのだろうか。
もちろん,授業は人並み(それ以上に)もっている。
それ以外で,この学部や専攻に貢献できることは何か。
ケネディ大統領の就任演説ではないが,「専攻があなたのために何をしてくれるかではなく,あなたが専攻のために何ができるかを考えよう」と思ったのだ。
もっともできることは限られている。
そこに,当時,小学校教員養成課程のサポートセンターに枝広さんという方がいた。
彼は,立命の文学部出身であり,大学院を出てからサポートセンターに勤務しはじめた。
僕と同じときに赴任した。
その彼は,子どもを集めてキャンプをやっていた経験を持つという。
これだ。
そこで,彼に協力してもらって,キャンプを実習のような形で行うことにした。
もちろん,授業ではない。
2008年の第一回のキャンプはやはり印象深い。
2回生と1回生しかいなかったので,とりあえず,2回生の中から実行委員を募集して,実行委員会体制を作った。
こちらも手探りである。
日程を決めて,場所を決めて,役割分担をして,毎週のように実行委員会を開く。
最後は毎日集まった。
しかし,こちらは真面目に実習を考えていたが,学生達はどちらかというと真面目に遊びを考えていた。
8月の終わりの週の木曜日と金曜日に行うことにした。
これは,その次の週から集中講義が始まること。
夏休みも終わりなので,会場がおさえやすいこと。
お盆の時期に事務室が閉まるので,開室してから一定の時間が必要であること,等が理由である。
8月と9月が夏休みなのに,そんな中途半端なときにやって集まるのかという声もあった。
しかし,9月の終わり頃にやれば,台風の心配があるのと,実行委員の学生は,夏休み中キャンプに取りかかりきりになることも予想された。
場所は,左京区にある百井青少年村であった。
これはいろいろ候補がある中で,枝広さんが選んでくれた。
7月に一度下見に行ったが,山の中であり,夜は寒かった。
毛布をかぶって寝ていた。
携帯電話も通じない,なかなかワイルドなところだった。
8月になってからのことであるが,学生が,一日目のプログラムの最後に,花火大会をやりたいといってきた。
そのときは,学生達に目的と内容の整合性について確認させたが,今更?という感じで,かなりの混乱があった。
しかし,結果的にはこのことがあって,結束していったと思う。
当日もまた大変であった。
参加の学生は,出町柳から鞍馬まで電車でやってくる。
あらかじめ乗る電車の時間指定がしてある。
そこに,枝広さんと僕とが二台のレンタカーで鞍馬駅に迎えに行く。
それで百井まで運ぶのだ。
百井まではバスも行くことができない。
何回か往復しないといけないのだ。
こうして,百井に到着して,プログラムがスタートした。
細かいことは覚えていないが,ドッジビーをやっているときに,雨が降り始めた。
夕飯はカレーとサラダだ。
これを作っているときも,雨は降っていた。
いよいよ一日目のクライマックスイベント,キャンプファイヤーの準備だ。
しかし,雨は降っている。
担当の後藤ヒロオくんには思い入れがあったようだ。
僕と,枝広さんと,ヒロオくんで百井の方に様子をうかがいに行く。
「今日はやみそうもない」とのこと。
でも,「どうしてもやりたい」とヒロオくん。
そのとき,雨が小降りになったのだ。
「雨が激しくなってきたら中止でいいね」
「はい」
ファイヤーがおかれ,キャンパー入場の声がかかり,全員がファイヤーの周りに円になる。
松明を持った4人の学生が,松明に火をつけ,かけ声をかける。
キャンプはこれを入れてこれまで6回やったが,このときのファイヤーの始まりが一番かっこよかった。
そして,点火。
このときには,すでに雨は激しくなっていた。
ヒロオくんの「はじめの宣言」。
そして,「終わりの宣言」。
その後は,屋内でキャンドルファイヤーで盛り上がった。
様々な出し物があった。
当時は,「崖の上のポニョ」がはやっていて,女の子たちが歌って踊った。
夜は寒かった。
雨も降っていたし,花火大会なんか楽しめる夜ではなかった。
次の日は川で宝探しだったが,寒かった。
前日の盛り上がりと熱気を消してしまうぐらいの寒さだった。
こうして,二日のキャンプを終えた。
怪我もなく,無事に終えることができた。
終わると百井から鞍馬までのピストン輸送が待っていた。
学生は一人残らず寝ていた。
そんな中,霧が出て怖い道を何度も往復した。
山から降りてくると,雨が降ったのがうそのような天気だった。
そうだ,8月末だった。
帰って,片付けをしてレンタカーを返して歩いて帰る途中,枝広さんとうどん屋に入った。
カレーうどんのいい匂いがしたので,ついカレーうどんを注文しようとした。
枝広さんから,「キャンプでカレー食べたでしょ」とたしなめられた。
なにを食べたかはもう覚えていない。
帰ると,おなかを空かせた学生が,片付けに疲れた様子で待っていた。
悪いことをした。
その年のキャンプは,そのあと,実行委員会のメンバーと西院の風呂屋に行った。
さっぱりしてから,打ち上げをやって,飲んだ。
枝広さんが仕切ってくれた。
僕は疲れて眠かった。
やはり,一回目のキャンプは思い出深い。
雨が降ったということも印象を強くしたのだろう。
それから,同じ時期に毎年キャンプをやっている。
自分にできることはこのぐらいのことだと言い聞かせながら。