1月全国常任委員会の報告(体育同志会)
こんにちは。石田智巳です。
今日は,1月23日と24日に行われました体育同志会の全国常任委員会の報告です。
週末は荒れ模様でした。
東京は寒いことは寒かったのですが,空気の澄んだ気持ちいい土日でした。
では,どうぞ。
全国常任委員会は13時半からで,それまで研究局会議が開催される。
しかし,今回は集まりがよくなく,そのため1時間だけ会議をすることにした。
ということで,新宿事務所に12時半に集合。
僕は,家を朝8時30分に出ればよかったので,ややゆっくりできた。
資料は事前に大学で印刷をすませておいたので,新宿でバタバタする必要もない。
往きの電車は,ポイント失効が近いため,グリーン車であった。
快適な車内で,成田龍一さんの『〈歴史〉はいかに語られるか』(NHKブックス)を読みながら行く。
前に読んだ部分もあったのだが,これはなかなか面白い。
中味のおもしろさもなのだが,歴史研究の方法論の変遷というか,違いが語られているところが面白い。
僕は,実践記録をナラトロジー的に読んでいき,ナラティヴ・アプローチ的に読むことが重要だと思うようになったので,歴史の本質主義と構成主義の考え方の違いがよくわかるし,歴史もまた文学と接近していることがよくわかる。
となると,物語の中味に加えて「差し出し方」を問題にせざるを得ない。
この話は、ここではこれまでにしておこう。
新宿につく前に,今日はいつもと違って有名なラーメン屋さんに行こうと思って「新宿,ラーメン」で検索してみた。
そしたら,小滝橋通り沿いに二軒(麺屋武蔵,龍の角)があり,新宿事務所の手前の通りにも麺屋翔というラーメン屋があったが,どこも並んでいた。
本命にしていた麺屋翔は,アイドルでも来ているのかというような並び具合。
しかたがないので,いつものお店で昼食。
研究局会議では,冬大会の総括と中間研究集会と,『運動文化研究』の進捗状況が報告された。
報告したのは僕だけどね。
冬大会については,全国常任委員会でも時間をとって議論をしたので,そちらとあわせて報告しておきたい。
冬大会についてはこのブログでも何度か書いているが,僕がやりたいと思ったのは次のことだ。
一つは,ある班の感想文を読んでみて,時系列的に見ていくと,あるときに子どもたちのかかわりの様子がよく現れるようになったとか,感想文の質がよくなっているとか,逆に悪くなっているとかが表れるかもしれない。
それを読みとる。
そして,それが何によるものなのかを授業との関係で分析してみる。
その際に,感想文の質がよくなるとはどういうことかも議論される。
だいたいこういうことだった。
山本さんの実践では,山本さん自身が気にしてマークしていた班についてMRIという手法で,班の子どもたちのある子に対する見方と,教師のその子に対する見方のズレが出され,子どもたちのそれや本人自身が変化していく様子が語られた。
それ以外の班でも,もしあったとしたらどんなことかを,参加者が分析することをねらった。
狭間実践では,運動技術の認識について,感想文の質がいいとはどういう記述なのかを読みとることとし,いいときはなぜよくて,悪いときはなぜよくないのかを分析しようとした。
そして,そこからグループ学習の質の高まりや,感想文の質の高さと授業での働きかけや教材の提示の仕方などを,仮説的に明らかにしようとした。
しかし,これはやはり難しかった。
一つは,とりわけ山本実践のように感想文が膨大にあると,一つの班の感想を全部読むだけでかなりの時間がかかる。
そこから,分析的に読むというのは難しかったようだ。
そして,面白い分析が出てきたグループもあれば,面白みのない班(失礼)もあった。
もう一つは,こういう分析の仕方に慣れていないので,個別の子どもの様子に拘泥してしまうというか,人間関係を見ようとしてしまうのだ。
参加者は自分が授業者という目で見るから,授業における子どもの様子をイメージしようとする。
この実践に対する距離感の取り方の難しさがあると思う。
なまじ実践報告を聞いてから感想文を読もうとするから,難しいのかもしれない。
感想文を読んで,そこから実践で起こったであろうことがらを読みとっていくことだけでもいいのかもしれない。
事前にそんな提案もしてみたが,軽く却下された。
さいわい,今年の冬大会に向けて,早くも立候補と推薦が出ているのだが,分析の仕方やねらいをもっと明確にしておかないといけないという課題が残った。
1日目は研究局関連が中心で,その後,『たのしい体育・スポーツ』の編集委員会からの報告と,出版経営局からの報告があった。
『たのスポ』については,季刊となることが決まって,7,10,1,4月に出るので,中間研究集会の案内については3月号(月刊の最後の号)に載せることとなった。
他の集会や大会の案内もこれまでとは変わるので注意が必要だ。
さて,本日は,青沼裕之さんを招いて「スポーツ庁の初年度の予算案の分析」という学習会を開催した。
オリンピックなどのトップスポーツや学校体育についてではなく,スポーツ庁は地域スポーツにどういうスタンスでいるのかを,予算案を分析する中で報告してもらった。
これについて,今から詳細の報告をすることはできない。
単純にいえば,スポーツ庁の予算は国庫であり,地方分権化が進んだ今となっては,国が計画を立てるものではなく,要望があった際に限定付きの補助がなされるというものだった。
そして,今ある施設を使って安上がりに地域スポーツの振興策を出すようなススメがでているという。
だから,うまくやっている事例を探してくるしかないのだろうね。
かつての杉並区の和田中が、地域とのタイアップをしたように。
ということで,1日目は終わりました。