体育とスポーツの日記

                      石田智巳が体育・教育,そして運動文化論と運動文化実践(主にランニング)について書いています。

わかっちゃいるけどやめられね。

ダブルダッチの授業

こんにちは。石田智巳です。

 

今日は,ダブルダッチを授業でやった話です。

後期に入ったのですが,前期に書いた授業の文章です。

では,どうぞ。

 

初等体育という授業では、1時間だけではあるが、ダブルダッチをやることにしている。

これは、数年前から縄跳びの授業をやっていて、だんだんとダブルダッチに修練されてきたものである。

最初は、単縄でのこどものつまずきを取り上げた。

単縄の組み合わせで,シンクロのようなことをやったこともある。

それで、ついでにダブルダッチをかじったのである。

 

でも、そのときは中に入って跳ぶことを目標にはできなかった。

なぜならば、自分もやったことがないし、ましてや指導することができなかったから。

立命館には、有名なダブルダッチサークルがあるという。

 

以前、関西限定だと思うが、テレビにも出ていたことがある。

そのときは、ダブルダッチとバトンと暗算の人が出ていた。

体育館におられた方に、録画してもらっていたものをいただいたのを見た。

 

暗算の人はすごかった。数字がフラッシュのように、どんどん画面に現れては消えるのだが、その数字をどんどん足していく。桁もすごい。

人間業ではなかった。

バトンもすごかった。教え子のユウちゃんが、肩や背中や肘でバトンをくるくる回していた。

人間業ではなかった。

 

そのダブルダッチのサークルの人たちは、かつての第一体育館の前で、いつも演技をしていた。

たなごころを指すようにたやすくやるのだ。

その影響もあったのかもしれない。

教え子のハラダさんもそのサークルの子だった(アヤカも)。

それで始めたのだろうか。

今となっては思い出せない。

 

それで、まさに見よう見まねで始めたのだが、目標は「試しにやってみる」なので、あんまりうまくできない。

ところが、やっているうちにいろいろわかってきた。

授業にするためのストーリーもできてきた。

以下に示す。

 

まず、大縄を使って、全員で順番に跳ぶ。

このときに、必ずある方向から跳んでいることに気づく。

ある一定の方向に回っている縄の前に立ったときに、縄が上から降りてくるのを「かぶり縄」という。

このとき、反対側にたてば、縄は下から自分の方に向かって上にいくことになる。

それを「むかえ縄」という。

大縄を八の字に跳ぶときには、必ずかぶり縄を跳ぶことになるので、逆回しにすると「反対!」といわれる。

 

そうして、かぶりの縄を何回かとんだ後、まさに逆回しの「むかえ縄」を跳ばせてみる。

そうすると、躊躇したり,引っかかる学生が増える。

そこで、集合して後からやった跳び方のほうが難しかったことを確認する。

そして、ダブルダッチが難しいのは、二本の縄が回っていることと、この難しい方の縄を跳ばないといけないからであることを説明する。

そこで、ダブルダッチ用の1本の縄を使って、むかえ縄の練習を班で5分ほどさせる。

 

だいたいみんなが跳んで何とか跳べるようになったら、二つの跳び方があることに気づかせ、この二つの跳び方ができるようにする。

Aは、縄が下につく瞬間に跳びながら入る。

Bは、縄が自分を通り過ぎてから、入って跳ぶ。

(動作を言葉にするのは、難しいですね。すみません。わかりにくくて)。

この二つを意図的に使い分けるようにする。

また班で練習。

どちらでもいいのかもしれないが、僕はBの跳び方ができるようにしたいのだ。

理由は後で示す。

 

そして、ここからが最近の授業でやっているオノマトペ(擬音語・擬態語)を利用する。

Bの跳び方は、縄が自分を通り過ぎてから中に入るのだが、学生のアドバイスはたいていリズムに合わせて、「はい!はい!」か「今!今!」と入るタイミングをいうことになる。

しかし、それでは遅いのだ。

 

今年卒業した学生にスギマチさんという学生がいた。

その子のグループに行ったときに、発見した。

「過ぎるのを待つ、そして,入る」のだ。

縄が過ぎるまで待って入る。

スギマチさん。ありがとう。

ダジャレから跳び方が生まれた。

こうして、Bの跳び方を身につけたら、いよいよダブルダッチ

 

と、その前に縄の回し方。

二人で回すのは結構難しい。相性もある。さらに、うまく回っていても、人が中に入ると回すことがおろそかになって縄がフニャフニャしてしまうこともある。

なんとか回せるようになったら実際に入る。

 

学生にはどんなリズムで入るのかを探させる。

「タン、サー、ポン」とかが出てくる。

タンは、縄が床に着く音、サーは入る音。ポンは跳ぶ音。

「タン、ウン、サー、ポン」とか、ポンの後、「スー」を入れた班もあった。「スー」とは、跳んだ後に外に出る音。

こういうのも大切。

「しいたけ、ピーマン」というのもあった。意味不明?・・・・ではない。

別のときに、あるグループが、「せーの、さくらんぼ」という声かけをしたのだ。

「さ」が縄の音。「くぅ」で縄があがる。「ら」が縄の音。「んー」で入って「ぼ」で跳ぶ。

これでやったら目をつぶっても入れた。「しいたけ・・・」は、その応用。

 

授業では、全員が入って3回跳ぶことを目標とした。

3回跳ぶためには、入ってリズムよく跳ぶ必要がある。

このときに、Aの入り方のように跳んで入ると、両足着地となってしまい次が跳べなかったりする。

そのため、Bを目指すのだ。

結果は?

全員3回跳べませんでした。

一つのグループが、惜しくも時間内に達成できませんでした。

2回は跳べたのだが。

 

今回は、音に頼りすぎてしまった。

縄が通り過ぎるときに,顎を上げて縄を上に見ながら入ることを欠落させてしまったからだ。

まだまだ改良の余地あり。

後期は,このことをもう少し意識してみたい。

 

「イシダ先生。これって、体育同志会の実践っていうんですか?」

「『わかって、できる』という意味では、そうとも言うが、系統的な発展はないなあ」。

 

そもそも「同志会の実践」なるものが存在するのか?

禅問答のようだが・・・・。

 

 

 

 

 

 

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