大阪42.195㎞フルマラソン大会の記録
こんにちは。石田智巳です。
今日は,昨日出場したマラソン大会についての現場からのレポートです。
7回目のフルマラソンで,初チャレンジ。
チャレンジは失敗しましたが,なんとかゴールしました。
では,どうぞ。
前の夜は,紅茶を3杯ほど飲んで,全然寝られず。
寝ているんだろうけど,頭の中が3Dのようにくっきりとなっていろいろ考え事をする。
コッチの世界とアッチの世界がすごく近くて,行き来可能な状態。
まるで,村上春樹の小説の世界だ。
何度も時計を見て,寝られないことを確認する。
朝起きると,それでも顔に枕の跡がついていて,そうはいっても寝ていることを確認する。
散歩に行って,ご飯を食べる。
今回は,朝ご飯はカツカレーと決めていたが,朝すぎてカツカレーの大盛りは胃に入らず。
支度をして,妻に運転してもらって長居競技場へ。
はじめてきたけど,いい公園だね。
球技をやっている人も,走っている人も,犬の散歩をしている人もいろいろな人がいる。
レースは10時からだが,なんとなく人も多くなくて,本当に始まるの?という感じ。
エントリーの時は病み上がりのため,逡巡があったけど,とりあえずエントリーできるフルマラソンの大会がこの大会だった。
都市型のマラソンは,車を封鎖して道路を走る。
川のマラソンは,そもそも車が来ない川沿いを走る。
こいつは,風との闘いとなる。
今回は,大阪の長居競技場(長居公園)を走るコースだ。
一周3㎞ぐらいを10数周するという。
これまた考えただけども恐ろしいコース。
奈良マラソンは,上り下りがキツいけど,スタートからゴールまでは記憶に残る。
川のマラソンは,10キロ下って,20キロ上って,10キロ下ってゴールという感じ。
今回は,上り下りなしの平坦周回コース。
風も全くなし。
ただし,同じことの繰り返しで,走る前はおかしくなるかもしれないと思っていた。
10時にスタート。
人があんまり多くないけど,後ろの方からのスタート。
今回は,ネットタイム(グロスタイムに対して)がないので,スタートの号砲が鳴ってからゴールするまでが記録となる。
でも,時計はスタート地点にきてから押す。
この記録会のようなマラソン大会で目指したのは,あるペースでどこまで走りきれるかだ。
最初に走った2014年3月のマラソンから3回ぐらいはよかったものの,その後,怪我や障害ばかりでうまく走れていなかった。
今回もまた同じように完走を意識して走るのではなく,自分が目標とするペースでどこまで走れるのかのチャレンジのレースにしようと試みた。
そのペースは,未だ実現していないサブ3.5。
ペースでいえば,1キロ4分58秒。
ただし,4分58秒90で行くと,越えてしまうので,4分57秒代。
気温の高さが気になったが,そんなことはいってられない。
半袖,半パンに,ゼリーを3つ持って走る。
最初はとにかくキロ5分5秒より速くならないように,5キロは我慢。
なかなかいい感じで,5キロを5分23秒で過ぎる。
その後は少し上げていくが,とにかく身体が動くまでは待つ。
1周3キロぐらいなのだが,すぐに何周走ったかはわからなくなる。
手元のGPS時計を見ながらの走り。
次の5キロは24分56秒。
当たり前だが,このあたりは余裕。
脈も147ぐらい。
さすがレースだと思う。
コンディションもよく,全体的にイケテル。
次の5キロは,24分48秒。
10キロを過ぎて少しずつペースが上がっている。
そして20キロまでの5キロもいい感じで,24分35秒。
徐々にペースが上がって安定している。
ただし,21キロ,つまり半分をすぎると,このペースで保つのかどうかが不安になってくる。
でも,そんな不安は,「今回は一定ペースで走れるだけ走る」と言い聞かせることで振り払う。
足が保たなくなったり,エネルギーが切れたら「それで終わり」でいい。
いろいろ考えるとつらいからね。
例えば,24キロ走ったらそれなりに頑張っていると思うけど,ゴールから見れば「24キロまで来た」というのは,「あと18キロもある」ことなのだ。
だから,あんまり先は見ないようにね・・・。
20キロから25キロまでは,24分25秒。
まだ上がっている。
最初にゆっくり入ったけど,30キロのところでは目指すキロ4分58秒のペースになっていることが目標。
つまり,2時間29分を切っていればよいということだ。
30キロは,2時間28分37秒と目標はクリアしている。
タイム的にも,気分的にはいい感じだったんだけど,30キロのところで軽いアクシデント。
それが,30キロ直前の給水。
今回のこの周回コースでは給水は1カ所のみ。
周回コースだから,同じペースの人たちが給水をするわけではなく,ゆっくりペースの人も一緒。
だから,周回が進むにつれて,歩いている人もいる。
たまたまだろうけど,走ってとりにいって,歩いている人とぶつかってしまった。
そしたら,両足のハムストリングスがつった。
少しペースが落ちたが,それは仕方がないと思った。
ただし,気温が高くなっていたので,確実に足はつることが予想されていて,これがトリガーとなったようだ。
それでも,30キロを過ぎて,ペースは速いまま安定。
35キロまで5キロは,24分12秒。
かなりいいペース。
あとから見れば,これが一番はやいラップタイムだった。
ここまで来ると,足が動くのであんまり意識でコントロールしなくてもよい。
レースは,いつも7キロずつ考える。
つまり,7キロ,14キロ,21キロ,28キロ,35キロ,42キロと考えるのだ。
もちろん,きりのいい5,10,15などもいれるのだが。
そして,35キロというのは,そこを越えればあとは何とかなるという地点だ。
とはいっても,ここら辺がやはりキツい地点でもある。
36キロ,37キロと4分52秒ペースでいく。
確認しておくと,37キロは3時間2分27秒で通過。
ペースはキロ4分55秒8。
ところが,始まりました。
マラソン劇場。
あと,5キロで終わりなのだが,この42キロのうちのたった5キロですべてひっくり返ってしまった。
極端なことをいえば,はじめに「一定ペースでどこまで行けるか」が目標だったのだから,やめればいいのにと思う。
これは本音。
でも,37キロも走って,「はい,おしまい」というわけにもいかんだろう,とも思う。
両足がつりました。
両方の太ももの裏から,エイリアンが一匹ずつ顔を出そうとしている。
片っぽから出て,止まってストレッチをすると,もう片っぽも出る。
そして,ストレッチをすると,今度は前側の外側がつる。
38キロまでの1キロは,5分53秒。
やばい。
あせるも,そううまくはいかない。
そこからつりまくる。
スタッフのおじさんにも手伝ってもらって,足を伸ばす。
走っては止まっての繰り返し。
次の1キロは7分48秒。
走れていない。
実は,残り5キロになったところで,今日のレースでサブ3.5はほぼ確信していた。
ところが,39キロの地点で,ダメだとわかった。
でも,あとは恥さらしのようになっても,とにかくゴールを目指すのだ。
こうなったら,なんだかさっぱりわからないけど,「走れメロス」(太宰治)か,「走れタカハシ」(村上龍)なのだ。
とにかく,歩くな。
止まるのは仕方がない。
でも,歩くな。
歯を食いしばって,最後の周回に。
妻にはかっこわるいところを見せたくないけど,これが現実。
40キロまでの5キロは,29分51秒。
ドリンクをもらって,飲んでニッコリ走り出そうとするけど,足はつる。
そろそろと這うように走って,競技場へ。
競技場に入れば,200mぐらいでゴールになる。
ところがここでも足がつる。
「ランナーのみなさん,もうすぐゴールです。ラストスパート」というお姉さんの放送が入る。
「うるさい!!」
自分なりにスパートをかけているが,足がつるからすごい葛藤。
それでも,ゴール前,時計も見える。
3時間40分を過ぎてしまった。
ゴール。
終わってみると,いつもの通り3時間40分代となった。
3時間40分23秒。
自分の時計(一人ネットタイム)では,3時間39分58秒だけど,そこには何の意味もない。
サブ3.5の夢は破れたが,マラソンドラマはやはり最後の数キロに来るね。
正直,すごく満足している。
これを,はじめから5分15秒(1月1日の30キロ走のペース)で刻んで,それなりに走れたとしても,自分の中で何の感動も,次のマラソンへの意欲も湧かなかっただろう。
あの最後の5キロを走っているときは(結構,ストレッチタイムだったが),ものすごいきつい思いをしたけど,マラソンはこうだよね,と思える部分でもあった。
今回のマラソンのいい思い出だ。
「いや~,やっぱり,スポーツはいいですね」(水野晴郎風)。
終わったあとは,ビールを買ってもらって,飲みながら奈良に帰り,彩華ラーメンによってラーメンをすすって帰る。
2時40分過ぎの彩華ラーメンは,満員で3組ほど待っていた。
足はつりまくったけど,筋肉痛はひどくなく,一度寝て,きゅうちゃんの散歩に行けるほどだった。
娘を散歩に連れて行こうとしたら,「やだブ~」といわれて,一人で行くことに。
結構楽なのには驚きだった。
帰って,ステーキを食べる。
夏に山梨でいただいたワインを開けて飲む。
飲んで寝て2時に起きてこれを書きました。
とりあえずシーズン終了。
おそらく,木曜日にまたジョギングを始めます。