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体育とスポーツの日記

                      石田智巳が体育・教育,そして運動文化論と運動文化実践(主にランニング)について書いています。

わかっちゃいるけどやめられね。

末吉小学校・菊池淨先生のお話2

こんにちは。石田智巳です。

 

菊池淨先生からまたメールをいただきました。

教えるプロというのは,こういうことをいうのだなとわかるようなお話でした。

やはり(元)教師が綴る話というのは,読んでいて面白いものが多いですね。

今日もまた,菊池先生の水泳の話です。

 

では,どうぞ。

 

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題 1年生の水泳、泳ぎたくなるまで水の中で遊んで
 

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 サンパウロ日本人学校1年3組の話です。お母さんから電話がありました。
「水泳が始めるそうですが、うちの子、スイミングスクールに入れた方がいいですか」
「私にもおしえられますが」「えっ、学校で泳げるようになりますか」
子供達に話しました。
「私たち魚じゃないから,水の中で息ができないよ。だから息の仕方と浮き方を教えてあげる。
後は沢山遊びなさい。泳ぎたくなったら,私に言いなさい。」

生久保君は泳ぎたい泳ぎたいと3時間目には泳げるようになりました。
高木君は18時間かけて水になれました。
そして小声で「泳げるようになりたい」といいました。
もう時間がなくて「来年まで待って」とため息をつきました。
水の中で沢山遊ぶと体が泳ぎたがります。それまでまって教えるとすぐ泳げます。
 
プール納めの日、33名のうち30名が25メートル泳ぎました。「あれ、泳 ぎかね」と先生達。
ぼかっと浮いて息をするとはぶらぶら浮いているだけ。手や足は何をしてるんだか。
わたしは「浮いて、息をして、進むから泳ぎでしょ」と 言いました。ドル平という泳ぎです。
やがて私は日本に帰りました。高木君が2年生になっておよげたかどうか分かりません。でもどこかで泳いでいますよね。きっと。
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研究会に出かけて云ってネタを仕入れてくる。
それを授業でやってみようと思って実際にやってみても,こどもの食いつきが悪いことはよくあることだと思う。
それは,教材の解釈が悪いのか,教えるまでに練られていないのか,いろいろあると思うのだが,この話は子どもが食いたいと思うまで待つことが大切だということを教えてくれる。
 
教師は僕も含めて教えたい人,教えたがりが多いのだが,教える中味ではなくて,教えるそのことをもっと学ぶ必要があるように思う。
後期がはじまって少しだけ意識しているのは,授業中のしゃべり方だ。
学生に向かって語りかけるときに,わざとゆっくりと,そして少し小さい声で話すようにしてみたら,学生が聞いてくれるようになった(気がする)。
 
聞かせたいから大きな声でしゃべるのではなく,敢えて小さな声でしゃべるというのは,なんとなく「北風と太陽」に通ずるところがある。
教育実習とかで学生を見にいっても,知り合いの先生が大教室で学生を前に話しているのを見ても,なんとなくだが相手が耳を澄ますのは,落ち着いた小さな声のような気がする。
 
こういうのを実証的に研究することもできるのだろう(僕はやらないが)。
聞く側がダイアローグの言葉だと受け取ってくれれば,それでよいのだろう。
 
教育技術はやっぱり大切だと思う。
もちろん,自分の物語に入ってきて,それがアウトプットできればいいのであって,使いもしないことをあれこれ知る必要はない。
何でもかんでも法則にする必要もないしね。
 
菊池先生からも,現場の先生たちからも,こういう現場の知恵的な話をもっと聞いてみたいものです。
 
 
 
 
 
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