体育とスポーツの日記

                      石田智巳が体育・教育,そして運動文化論と運動文化実践(主にランニング)について書いています。

わかっちゃいるけどやめられね。

日本体育科教育学会in横国大に参加しました。

こんにちは。石田智巳です。

 

週末は,上記の学会が横浜国立大学で開催され,参加してきました。

僕は人見知りをするので,学会にはあんまり熱心に参加していませんでした。

でも,訳あってこの学会にも昨年から参加することになりました。

ということも含めて,学会の報告です。

では,どうぞ。

 

昨年,この学会は仙台大学で行われて,参加した。

メインの内容は,次期指導要領の改訂に向けた動きの紹介であった。

いろいろ勉強になることがあった。

でも,昨年参加したのは,学会の理事会(新理事の会)に出なければならなかったからだ。

まさか,それだけに出るために仙台にいくのもなんだから,学会そのものにも参加して,勉強してきた。

 

今年は,理事会にも出て,学会にも出て,情報交換会(懇親会)にも出た。

というのも,来年は僕の大学でやることになったから。

年末か年始ぐらいに,新しい事務局長から打診を受けていたのだ。

 しかし,僕のいるキャンパスには,学会員は僕しかいない。

僕のところには,今,3回生のゼミ生がいない。

これは,専攻で開講するゼミ数に対して,希望者が多かったため,調整する幹事役が開講したいというと,もめることになるから引っ込めたのだ。

だから,人的資源はほぼ皆無。

 

そうなると,大会実行委員長が僕で,事務局長が僕で,事務局員も僕となる。

そこで,一旦ことわりを入れたが,そうなると関西の大学で探してほしいといわれた。

そのため,あの大学と,あの大学と,その大学と,この大学に打診をしたが,結果的に全部断られてしまった。

袋小路になったが,仕方がないので引き受けることにした。

 

そのため,今回の学会は情報収集の意味もあった。

が,ほとんどできなかった。

とりあえず,これから過去にやった大学の情報をこれから得て,スケジュールとやるべきことを表にしてみよう。

あとは,あの人と,あの人と,その人と,この人には協力依頼の打診をしよう。

 

さて,学会である。

今回は,学会のプロジェクト企画がメインとなった。

写真は,全体会の様子。

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全体会では,この間のプロジェクトが行ってきた「現行学習指導要領の実施状況」についての調査結果の概要というか,結果の見方の報告があった。 

 

この後,指導要領の各領域別の分散会に分かれて,この結果の見方を参考にして,結果をどう見るのかの議論。

それは,学習指導要領の実施状況を調査の膨大なデータをみんなで分析するというものだった。

体育同志会の冬大会のような感じだった。

 

プログラムには,「参加者へのお願い」があり,webサイトよりあらかじめ自分の関連するデータをファイルにして,あるいはプリントアウトして持ってきてほしいとのこと。

僕は不良学会員だから,それすら読まずにいた。

そうしたら,理事会でA4用紙で400枚もあろうかという報告書が配られた。

 

これは持って帰っても読むのが大変だから,分散会で読めるところはしっかり読んでみた(もちろん,持って帰りました)。

僕は,ボール運動と器械運動の分散会に出た。

両方とも,かなりの数で,おそらく60名以上はいたと思う。

分散会では,さらに近くの席の人たちでグループを作って議論をして気づいた点を報告した。

 

まずはボール運動であるが,最初に結果の概要が順番に語られた。

調査は,学習指導要領の解説の各学年(2学年)の目標に関わる記述を示して,小,中,高等学校の先生が,それぞれの階梯で内容は適切なのか,もっと早めにやっておくべきなのか,それとももっと後の学年でやればいいのか,を訊いたものだ。

 

小学校の先生には,小学校と中学1.2年の内容を訊いている。

中学校の先生には,小高学年と中学と高校の内容を訊いている。

高校の先生には,中学校と高校の内容を訊いている。

 

だから,小学校の先生が小学校の内容を答えるときと,中学校の先生が小学校の内容を答えるときとにズレが出てくる。

たとえば,「ボール保持者と自分の間に守備者を入れないように立つこと」(小5.6)に対して,小学校の先生は多くが「適切」と答えているのに対して,中学校の先生は,「遅め」と答えている。

「遅め」ということは,中学校でやればよいということなのだろう。

 

概ね,小学校の先生は,小学校の内容は適切であり,かつ中学校に示されている内容をも小学校でやればよいとしている。

それに対して,中学校の先生は,小学校の内容も「遅め」,つまり,中学でやればよいとしていて,高校の内容も「早め」と答えている。

 

高校の先生は,高校の内容はほぼ「早め」としているが,これは中学校までにやっておいてほしいという意味なのか,高校にはもっと高度な中味が書かれた方がいいという意味なのかが不明であった。

 

あとは,小学校のボールゲームは,ルールや場面を正式の競技から変えた=教材化したゲームを想定しているが,中学校や高校は正式なルールに近いという違いがあるのでは?とか,小中一貫の先生とか,自分がその種目を専門でやっている先生かどうかで違うのではないかという,結局,変数が多すぎて,議論がしにくいというものであった。

 

次は,器械運動に出たのだが,これはこれで面白かった。

というのも,普通というか,体育の種目の多くは,簡単から複雑へと組まれている。

これは,技能や認識の発達の順序を,種目や技能の中味で学年ごとに表しているということだ。

 

しかし,器械運動は,小学校では技がある程度習得されるが,特に女子を考えるとわかるのだが,中3以降になると,維持するのが精一杯で,難しい技をやるには至らない場合が多い。

だから,他の教材のように単純に早くとか遅くとかはいいにくい。

また,器械運動では,とりわけ中学校の鉄棒など,やっている地域とやっていない地域があるようだ。

 

全体的な印象としては,何のためにこの分析をやるのか,なにを明らかにしたいのか,この結果をどう使うのかがわかりにくかった。

そして,「実施状況を問う」というのとはやや意味が違う調査になっていたという指摘があった。

また,いきなりフロアで分析させるのもいいが,調査を行った人たちが,まず分析して,その結果いえるであろうことをさらに参加者で分析するというのがよかったように思う。

でないと,収拾がつかなくなるからだ。

 

全体会の最後で,岡出美則学会会長が,指定討論者として意見を述べたが,それにはやや納得できた。

 

1990年代の後半に,世界的な体育授業の危機が起こり,そのときに体育の存在意義が問われた。

この時のことは僕も覚えている。

そのため,世界中で共通に論議できるような基準や指標を作ろうとした。

たとえば,日本の学習指導要領の改訂は何を根拠にするのかの指標やエビデンスがない。

だから,ムードで変えようとしていたところもあるわけだ。

 

それに対して,学会としては,授業の成果を表すようなデータを示すことができればよいわけで,その第一歩としてデータを取ろうとした。

データの取り方,集計の仕方も含めて,学会でやっていこうというわけだ。

だから,今回の方法が甘くても,これからの議論ということだ。

 

体育同志会の冬大会の最後に,海野さんが,「これだけのことをやって成果をキチンと報告しないで,単に『楽天的に』という総括ではいけない」といわれたが,まさにその言葉を投げかけておきたい。

しかし,大変な作業だっただろう。

お疲れさまでした。

 

さて,それが終わって,情報交換会。

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僕はこういう会は苦手だが,飲むのが好きなので,あまり食べずに,ビールと「横浜国大」という日本酒を中心に飲んで話をした。

 

来年は,やらないといけないので,飲んでられないかなあ。

みなさんの参加をお待ちしております。

 

 

 

 

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