体育とスポーツの日記

                      石田智巳が体育・教育,そして運動文化論と運動文化実践(主にランニング)について書いています。

わかっちゃいるけどやめられね。

大阪支部の推進講座で話をする。

6日の土曜日は大阪で第9回推進講座があり,話をしました。

今日はそのときの様子を報告します。

では,どうぞ。

 

大阪に呼ばれて話をするのは,結構好きだ。

大阪支部の独特の雰囲気に触れることができるからである。

それと同じぐらいに,ハイハイタウンの南海飯店で五目そばを食べることができるからだ。

ただし,今日は大会の実行委員会が午後からあるので,午前中の推進講座となった。

 

9時半からだが,奈良に住む僕は8時半の電車に乗れば,十分間に合うのだ。

大和西大寺から快速急行に乗って,学園前,生駒,鶴橋,そして大阪上本町

鶴橋駅は相変わらず焼き肉のにおいがする。

 

会場に入って,しばらく雑談していると推進講座が始まる。

タイトルは,「球技における2対0の基礎理論と種目間の特質論」だ。

依頼されたときには,「種目間の特質論」のところが,「種目間の糖質論」となっていた。

「糖質論」は間違いだというのはわかったが,等質論だとしても変だし。

とほったらかしにしておいて,金曜日に印刷にかける前にようやくわかった。

「特質論」だ。

 

大阪支部では,60周年の全国大会を迎えて,その後の若い世代につないでいくために,体育同志会のこれまでの遺産を学ぶ企画を行っている。

そのことは知っていたので,僕は自分の考えよりも,その時々に何があって,どんな提起がなされたのかを伝えることにした。

 

話した内容は,以下の通りである。

初期の生活体育の考え方,最初の技術指導の考え方,子どもの喜びを高める技術の指導や中間項の考え方,ドル平泳法と水道方式の関係,「泣いたオモちゃん」の話とラグバス,ラグハンドの創造。

系統性研究の萌芽。

ここまでは,1960年代半ばまでで,丹下保夫さんが生きていたころの話。

 

次に,球技におけるコンビネーションへの着目と,基礎技術の考え方。

あるいは,種目の技術特質とそれを含んだ最小単位である基礎技術への着目,2対0への着目,さらに系統的な発展の考え方,練習とゲームの関連など。

ここまでが,1970年代に出た『学校体育叢書』の考え方。

 

そして,空間への着目,階層構造への言及と,様相発達段階への着目などによって,球技の技術・戦術の質的な発展を考えることが可能になったこと。

ここまでは,80年代以降の技術的特質に基づく球技の指導の考え方。

 

さらに,90年代になると,教科内容研究がスタートして,サッカーにおけるオフサイド,機能分担を考えるフラッグフットボール,お祭りフットボールのような試みがなされる。

これは技術的特質(だけ)ではなく,文化的特質によるテーマ設定のなされた指導が行われてきたというわけである。

体育同志会の中でも,これまでの系統性研究に基づく技術指導の考え方とは違う考え方が出されていることなどを述べた。

2時間弱話をした。

 

特質の考え方がやや難しかったようだ。

自分でも書いた文章に出てくる言葉を見ると,やはりそうだと思った。

だから,くどくど例を挙げながら話をした。

体育同志会の球技指導の考え方,特に技術特質の考え方についてはまた改めて書いてみたい。

 

終わって,南海飯店だ!と思ったが,午後から大会の実行委員会で,その前に大会基調提案の検討会をやるということで,五目そばは断念。

食べに行く時間がなかったので,近所のスーパーで焼き肉弁当360円にした。

安い割に,うまかった。

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そして,基調提案の検討会を30分ほど。

出てきたものを見てびっくり。

ここまで進んでいるのか。

さすが大阪支部。

 

それから,人がどんどん集まってきて,30人ぐらいの実行委員会。

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最初に,全体で大阪の教育情勢,基調提案の骨子などを共有して,研究,編集,企画などの部局会議へと移動。

あの中川さんが,事務局ということで,会場の手配で先頭に立って動いていたのにも驚いた。

 

僕は,全体会が終わったところで,別の用事があるので帰ることにしたが,そのときに中川さんも上本町の駅に行くということでいろいろ話をしながら歩いて駅まで向かった。

彼女は彼女なりに,若手を育てるためにいろいろ考えているということがよくわかった。

やはり大阪支部の組織論はすごい。

 

今度は,南海飯店をはずさないようにしたい。

今日の反省である。

 

 

 

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