体育とスポーツの日記

                      石田智巳が体育・教育,そして運動文化論と運動文化実践(主にランニング)について書いています。

わかっちゃいるけどやめられね。

生活体育について-制野さんの話を聞く2

こんにちは。石田智巳です。

 

今週は,週末に東京に行って聞いたことや考えたことを書きました。

今日もまたその続きです。

くどいかもしれませんが,今日のが本当にいいたかったこと(多分)なので,おつきあいください。

では,どうぞ。

 

昨日のブログでは,体育同志会の生活体育と,佐々木賢太郎さんの生活体育の比較を行い,制野さんは,佐々木さんの生活体育の正統的な後継者だということを述べた。

後継者というのは,いいすぎかもしれないが,時代制約を逃れて,体育同志会の文化研究を先頭になって引っ張る制野さんの実践の根っこには,東北の綴方,そして紀南の綴方の影響がある。

それはまさに,生活台における実践という表現があっているかもしれない。

 

だから,制野さんの実践(というか,宮城の実践)には,綴方が必須アイテムとなっている。

子どもをつかむために,生活綴方を用いるのは,夏大会での工藤ふみ先生の実践や,大阪の土佐いく子先生の実践を聞くと本当によくわかる。

しかし,生活綴方は体育同志会の方法ではない。

それを使うことで実践が豊かになることは間違いないのだが。

 

体育同志会の研究は,多岐にわたるが,技術(戦術)指導の研究,グループ学習の研究,文化研究(教科内容研究),カリキュラム研究などが中心である。

子どもを研究するというよりも,グループ学習の研究であり,また,どちらかというと客体としての運動文化の研究である。

最近は,実践記録や実践分析などの方法も研究されてきている。

冬大会ではまさにグループ学習を対象化した研究を行う。

 

話は変わるが,21世紀型生活体育というのは,2005年に森敏生さんが体育同志会50周年の際に使った言葉だ。

それに反応したのが,宮城支部だといってもよい。

もちろん,それ以前にも生活体育の見直しについて述べられている。

高津勝さんも言及している。

でも,僕の生活体育のイメージは,長野の小山吉明さんのそれだった。

それは,出原泰明さんが取り上げていて,そう思ったのだ。

手元に資料がないが,『体育科教育』誌の50周年記念号の座談会で発言されていた。

 

小山さんの生活体育は,まさに子どもの運動生活を組織しているのだ。

僕も結構好きで,学生には小山実践をよく紹介する。

例えば,「三本柱としての体育授業,生徒会,部活」,『たのしい体育・スポーツ』2002年2月号がわかりやすい。

最近のものでもいいのだが。

 

そこで,小山さんは,子どものスポーツ活動を多様に用意する。

授業はある意味(子どもから見れば)堅苦しく,男女混合,異質協同で学ばせる。

そして,徹底した教材研究と教科内容研究によるテーマ設定がなされている。

ここで基礎として,みんながみんなでうまくなることが目指される。

 

しかし,子どものスポーツ要求はそれだけにとどまらない。

授業中にしばしば,うまい子がうまい子だけで進めようというのも1つの要求かもしれない。

小山さんは,授業ではそれを認めないが,その要求を実現できる別の場を用意する。

それが,生徒会活動で進める行事だ。

それには,全員参加の体育祭,バレー大会,バスケット大会などと,自由参加のリレー大会や水球大会,駅伝大会,などが用意される。

 

小山さんは,子どもが生活を背負った存在だという語りはしない。

スポーツは悪い文化だという云い方もしない。

ただ,子どものスポーツ要求を組織する機会を作っているのだ。

こういう行事と授業を絡めるのが,かつての体育同志会の生活体育の1つのスタイルだった。

それは,単にスポーツ要求を満たすだけではなく,スポーツ活動を作る(今でいう「支える」)活動を組織することである。

 

制野さんは,丹下さんと小山さんに学んだという。

そして,駅伝大会,球技大会,さらにはみかぐら(女子の2年生と3年生)などをやっているという。

3ヶ月に一度,お祭りをやるわけで,子どもたちも1つの行事が終わったら次の行事に向けて取り組みはじめるという。

内容は,制野さんがキチンと語ってくれると思うので,これだけ。

 

さて,昨日,制野さんをはじめとする宮城の生活体育論は,民主的生活の方向を向いているが,体育的生活には向いていないと書いた。

ところが,制野さんのこの構想は,2つの生活体育が融合したといえるだろう。

すごいことだ。

これを抜きにして,制野さんが生活体育を語ると,偏りが出るかと思ったが,すごいバランスだ。

 

出たら,また読んで書きたいと思う。

 

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