体育とスポーツの日記

                      石田智巳が体育・教育,そして運動文化論と運動文化実践(主にランニング)について書いています。

わかっちゃいるけどやめられね。

チームわけの話

こんにちは。石田智巳です。

 

今日は,月曜日の授業の話をします。

1限の(教)保健体育科授業演習(中学)という授業です。

では,どうぞ。

 

僕は恨み節のようにくどくど書くが,今年の後期は授業がレギュラーで8コマ,プラス教育実習の研究と,初等の教育実習をもっている。

教育実習の研究は年に3回土日のどちらかで行われる。

教育実習は,訪問指導とポートフォリオが中心。

 

そして,月曜日は1,2,4,5と授業。

これは本当に消耗する。

月曜日が終わると,ものすごくぐったりする。

しかし,翌日の火曜日は毎週会議で遅くなる。

先週と今週は10時すぎに帰宅。

おかげで走れない。

 

で,1限の授業である。

この授業は,(教)保健体育科授業演習(中学)といって学部の中に置かれている科目である。

(教)というのは教職課程科目のため,教職を目指す学生のための科目である。

このような科目は,衣笠では僕が(教)保健体育科教育概論,塩貝さんが(教)保健体育科教育研究,故斎藤政治先生の奥様と京教大の先生に(教)保健体育科授業研究を持ってもらっている。

塩貝さんの授業は,中学校必修(高校は必修ではない)であり,あとの2つの授業は中高必修である。

 

ところが,この授業演習(中学)ともう一つ授業演習(高校)は,必修ではなく選択科目のため,受講者が少ない。

前は2つで1つの授業だったにもかかわらず,ある先生が強く主張して,2つに分けた。

その先生は今,教職課程にいない。

えらい土産を残してくれたものだ。

 

それで,昨年は,受講者が少なくて閉講にしたが,今年はわけあって月曜日の1限に3人でやることにした。

高校の方は閉講。

 

授業は,基本的にはシラバスに沿って行うが,彼らの要求も聞いて,指導案の書き方をやることにしている。

体育は,子どもを動かすことと,教える中味を指導案に表すこと,一時間の授業の流れを作ることが結構難しい。

 

球技だと,準備運動,班ごとのパス練習,シュート練習,コンビネーションをやって,リーグ戦とかいわゆるゲームをやれば授業にはなる。

でも,何が教えたいのか,そのためにどんな学習の場を用意するのか,そして,どんなゲームをするのかまでは思いが至らない場合が多い。

これは,失礼な云い方をすれば,そういう授業を受けてきたからだ。

 

前期に,保体の教育概論で35人の学生に聞いたことがある。

「このなかでバタフライが泳げる人?」

20人ぐらいが手を上げた。

さすが。

「では,学校でバタフライが泳げるようになった人?」

2人が手を上げた。

 

残りは全員がスイミングで覚えたのだった。

今の学習指導要領はバタフライを教えることになっている。

彼らが中学校のときは,教えることにはなっていなかったから仕方がないのではあるが。

この2人は,もちろん能力が高かったということもあるだろうが,教える側が教える方法をもっていたと云うことだ。

だから,多くの学生は,バタフライを自分が教わったように=スイミングのように教えるのだろう。

要するに,練習メニューを与えるのだ。

 

で,球技に戻って,1時間のバスケットボールの指導案を書かせてみた。

中学校2年生男子32人で,バスケットコートは二面,ゴールは4つ(便宜的に),ボールは20個という条件をつけた。

そして,まず単元の大きさ(バスケに割ける時間数)や,昨年度と今年度の球技の経験などから目標が決まること,さらにはオリエンテーションでどんなバスケットボールがしたいのかを書かせたりしたもので合意を作ることなどは,こちらで話す。

 

その上で,書かせてみると,なかなか書けない。

目標は,「パスをしてシュート」という曖昧なものになる。

だから,パス練習とシュート練習で,ゲーム。

1人は,ドリルゲームを考えて書いた。

しかし,ここで班という考え方が出てこない。

メニューのみを書いていて,どうやって集合させるかとか,どんな説明をするのか,示範なのか,生徒にやらせるのかとかも書いていない。

 

それで僕が驚いたのは,ゲームの話になったときである。

教えたい中味や,合意した中味(たとえば,みんながシュートを打つとか決める)とかを,ゲームからどう評価するのかというのは,学生では思い至らないから,こちらで話をする。

そんなことではなくて,ゲームをどうまわしていくのかについてである。

これはいけなかった。

初等でもキチンと教えて上げる必要を感じた。

 

どういうことかというと,32人でチームを作るとなると,何人の何チーム作るかということだ。

5人のチームと6人のチームという考え方はさすがに出てこなかった。

だって,5チームだとあまりが出るし,6チームでもゲームはしにくい。

練習だってしにくい。

だから,彼らは4人の8チームという考え方をした。

それでよい。

しかし,AからHまでの班を作り,今日は最初はAB,CDがやって,次はEF,GHがやるといってきた。

 

じゃあ,練習のときは?

2つのチームで1つのゴール(ハーフコート)を使うという。

それでよい。

そしたら,オーバーナンバーのゲーム形式で練習したいから,1人借りて5対3で練習するという。

あれれ。

 

彼らの中には,兄弟チームという概念がなかった。

だから,兄弟チームで練習して,A1チームがゲームのときは,A2チームはスコアや得点や審判をする,あるいは,コーチ役となる。

休みが出た場合も兄弟チームで補填するとかがわからなかった。

だから,練習だって2つのチームが合同でやればいいし,オーバーナンバーにしたければ,ディフェンス役を1人ないし2人抜いてやればよい。

だから,4人の8チームではあるが,4人×2チーム×4班という感じか。

 

そうか,こういうことは当たり前のようにやっているけど,教えてあげないとわからないのだ。

彼らは去年(と今年)僕の授業を受けているのに,僕はそんなことも教えていなかった。

金曜日の概論でも,木曜日の初等の授業でもやってみよう。

叢書にも書かないといけないなあ。

検討しよう。

 

 

 

 

 

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