体育とスポーツの日記

                      石田智巳が体育・教育,そして運動文化論と運動文化実践(主にランニング)について書いています。

わかっちゃいるけどやめられね。

「貧困と学力」に寄せて-大阪府の場合2

こんにちは。石田智巳です。

 

昨日のブログはもともと書こうと思ったことがあって書き始めたにもかかわらず,違う話になって終わってしまいました。

今日は,とにかくその話を書き終えようと思います。

でも,これって書いていいのかどうかという迷いもあります。

書けるだけ書いてみようと思います。

もしかしたら全部書くかもしれません。

それは,ワープロを打つ手しだいです。

では,どうぞ。

 

昨日は,京都で体育同志会の全国研究局会議があった。

京都の資料センターでは,京都支部総会が行われていたので,近くの会議室を借りて行った。

午後借りて,1500円。

広さも申し分ない。

これはお得。

 

会議は,今年の冬大会を中心に話し合われた。

その前に,各支部の状況を報告してもらった。

宮城は,全国大会の打ち上げが行われたとのこと。

愛知は,大阪の中川さんのグループ学習へのこだわりが語られた話。

大阪は,全国大会の準備が進んでいて,また推進講座で元日体大の森川貞夫さんの話を聞いたことなど。

僕は,京都支部にはあまり出ていないので,10月の四役会議の話をした。

 

会議の終わり頃にも,それぞれの職場というか周辺情報のようなものを交流した。

そのなかで,大阪の学力テストの結果が低調であったこと,そしてそのことで現場の統制が進んでいっているような話が出て来た。

僕は,こういう話を聞くと,PDCAのおかしさを感じてしまうのだ。

企業のPDCAと違って,いわゆる新しい公共におけるPDCAは,PCAとDが切りはなされているでしょ。

つまり,計画(P)は教育委員会とか首長などの行政の側が立てて,それを現場が行って(D),評価(C)と改善・処置あるいは処遇(A)はまた行政が行う。

Cは学力テストであるので,国ということもできるが。

 

だとすれば,現場が悪いのではなく,目標や計画,改善や処置が悪いと思わないのかなあ。

それに,平均点競争をすれば,みんな上げようと躍起になるわけだから,そんなに変わるものではない。

それと,体力テストが,全国体力・運動能力,運動習慣等調査というように,運動習慣も調査しているわけで,学力テストも家庭環境だとかの調査もあわせてすればいいのにと思ってしまう。

 

そうして,学力は高くて幸せな都道府県はどこどこですとか,学力は高いけど暮らしにくいのはどこどこですとかの方がいいのに(それはよくないか)。

大阪の人の話を聞いていると,大阪が好きなんだってことを強く感じるわけで,それって幸せっていうことなんじゃないの?と思ったりする。

僕も大阪は好きで,ブログとか見ていると,安くて旨い店が多い。

京都はねえ・・・・。

 

というか,所得だとか,生活保護世帯などのデータはあるわけで,点数が低いところはそれなりの理由があるので,その問題を差し引くなり,加えるなりした結果を出した方がいい。

でないと,本当にただ競争のためにやっているだけになる。

 

そこで(全然「そこで」ではないが),大阪大学の志水宏吉さんの『「力のある学校」の探求』や『公立学校の底力』などがもっと取り上げられてもよいと思ったりしたので,その話を簡単にする。

そして,来年の中間研究集会に,公立でしんどいながらも頑張っている学校がある,その学校ではどんな取り組みをしているのかなどを語ってもらうというのもありかなと思ったりした。

 

志水さんも,本にすると書くのが難しい部分もあるだろうなと思いながら,自分がこれから書こうとすることも難しいのかなと思ったりする。

 

ここからが本題。

一昨年の教職ゼミは,金曜日の1限という素晴らしい時間を与えられたので,登録者が13名。

遅刻が多くて,13人そろってスタートしたのはマレであった。

それで,人数が少ないので,調べ学習も1人でやることにした。

例年30人いるので,いつもはグループを作らざるを得ないのだ。

 

大阪に関して云えば,前にも書いた大阪の教育基本条例について調べてきてくれた学生と,教育の地域間格差について調べてきてくれた学生がいた。

前期の終わりに,研究計画を立てて,夏休みから後期にかけて取り組んで,11月から12月に報告という流れだ。

夏にやってこない学生もいるので,実際には2,3ヶ月で仕上げる者が多い。

 

地域間格差について調べた学生は,丁寧にやってくれた。

彼はゼミ長さんもやってくれた。

その研究を紹介する。

 

まず先行研究をあたる。

今日の教育格差として,地域間格差,地域内格差,見える格差,見えない格差などがあること。

社会格差との関係では,「親の職業と子どもの進学率は相関関係にある」,「家の所得と子どもの進学率も相関関係にある」などをもってくる。

そして,そのような先行研究だけでは,地域間という市町村レベルの視点で見たときには,所得や親の職種と学力に相関があるかどうかはわからないという問題を提出する。

 

そして,「目的は,大阪府の市町村単位での学力格差を社会格差との関係から比較し,不利な社会的状況下でも学力を維持できている市町村や学校の取り組みを究明する」ことである。

平たく云えば,所得が少ない地域なのに学力が一定水準にある,あるいは高い地域を探して,その取り組みを明らかにすると云うものだ。

 

彼は,文学部で地理学を専攻していたので,GISというソフトを使って,学力と所得との関係を社会地区類型として表すことをやった。

 

一般的に,大阪の北の方が所得は高いといわれるが,実際に平均所得を見ると,箕面豊中,吹田が所得の平均が400万円を越えて高く,能勢町を除いた北の方がそれに続く。

さらに,その北の方と同じぐらいなのが,堺市周辺と南河内と云われるあたりとなっている。

大阪市中河内という大阪の真ん中あたり,そして,南の方が低くなっている。

 

自治体の教育費の割合も出ているが,北の方がどちらかというと高いという程度だ。

学力については,これもばらつきがあるが,北の方が高いといえるだろう。

国語と算数Bはまさにあてはまるのだ。

 

なお,ある地区は中学校が1つしかなく,自治体の比較ではなく学校の比較になるので,中学校は除いたという。

 

そして,彼は次の4つに区分する。

①学力が高くて,所得も高い

②学力が高くて,所得は低い

③学力が低くて,所得は高い

④学力が低くて,所得は低い

 

彼が注目したかったのは,当然②。

①と④はある意味当たり前。

③に注目するのは,いつも怒っているあの人たちだろうな。

だから,③については紹介しない。

悪い方へ使われそうだから。

 

で,どうだったのか。

②はあったのか。

ありました。

1つ。

 

彼はその自治体に連絡をして,取り組みを聞きに行ったようだ。

そして,特色ある教育政策,チャレンジ学習などが行われていたという。

あんまり書くとわかるので,ぼかしておく。

そこから,彼はそういった取り組みの良さをまとめていた。

というか,所得が低いのに学力が高い理由を探したけどそれしか聞けなかったからそうまとめるしかない。

僕が聞いても,そんなに特徴があるようには思われなかった。

 

そして,その結果を大阪の教育委員をやっているK先生と,その当時,和歌山大学におられたM先生に一応送っておいた。

 

この自治体の名前は公開しても構わないと思うのだが,なぜか公開すると後悔するような気がしないでもない。

 

知りたい人には教えますが。

 

ということで,彼の研究は素晴らしいものであった。

ちなみに,次の年に京都でやろうとしたところがあったが,京都市が公開していなくて,あまり上手い結果がでなかった。

大阪が情報を公開していたからよかったのだ(やや矛盾するが)。

 

 

 

 

 

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