体育とスポーツの日記

                      石田智巳が体育・教育,そして運動文化論と運動文化実践(主にランニング)について書いています。

わかっちゃいるけどやめられね。

『たのスポ』7.8月合併号を読む3-バトンスロー実践を読む。

 こんにちは。石田です。

 
間をあけてしまいましたが,今日は,『たのスポ』7.8月合併号の実践のうち,京都支部の中野くんのバトンスロー実践を読んでみます。
 
「バトンスロー(やり投げの指導)」中野真雄実践
 
昨日の話の続きを言えば,中野くんも岡山出身である。
 
さて,バトンスローとは,ロープ(ビニールテープ)を体育館のキャットウォークに結んで,そのロープに沿わせるようにバトンを投げる教材(教具)である(写真参照)。

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この教材は,2010年の2月の関西近畿ブロック集会で,茨木さんから教えてもらったのが最初である。
このときは,口野さんからも,投げる運動を興味深く行うための様々な教具を紹介していただいた。
 
僕の初等体育という授業では,したがって,口野さんの資料を用いて投運動の理論を学び,そして茨木さんから教えてもらったバトンスローを教材にして,授業実践を学ぶという展開になっている。
 
なお,僕の道具はグレードが高い。
体育館の真ん中を仕切る緑の網がある(写真で言えば二階の窓の緑がおそらくそう)が,それを修繕するための細い緑のロープを使い,バトンは印刷機のマスターの芯である。
これに,持ち手には糸の入ったホースを用意した。
糸が入っていないホースはすぐに裂けてダメになる。
それらを用意した後,体育館の人たちにお願いして,長さの違うものを5つほど作成してもらった。
 
この緑のロープがいいのは,バトンを投げると「ひゅ~ぅぅぅっ」と,ものすごくいい音がする。
そして,うまくいけば,2リットルのペットボトル(空)にあたって,「コ~ン」と音がする。
一瞬の間の後,「おーっ」と歓声が上がる。
ただし,このロープは滑りがよすぎて,跳びすぎる嫌いもある。
 
実は僕は,中野くんの学校に行って授業の様子を見せてもらったこともある。
そのときに,中野くんも書いている「腰のひねり」がでてきた。
このことについては,『たのスポ』2012年11月号に書いた。
 
『最後のまとめの時に野球をやっている(であろう)子どもが,「(投げるときに大切なのは)腰をひねる」といった。「どういうこと?みんなの前でやってみて。」と中野先生。その子どもは上手な野球投げを披露した。そのとき,子どもたちは「腰をひねる」の意味がわからなかったのだ。子どもたちにとっては「ツイスト」のようなイメージであったのだろうか。結局,投げた手と同じ側の足を投げ終わった後に前に出すということでまとまった。』(19頁)
 
僕たちが普通に使う「腰をひねる」が子どもたちには意味不明ということだが,こういうことはよくあることだろう。
阪田尚彦氏は,バレーのレシーブのときに,「腰を落とせ」ではなく,「ボールの一番下を覗いてやろうと思って」と声かけをするとよいという(『体育教育』一茎書房,186頁)。
 
これを立命館小学校の岩下修先生は『AさせたいならBといえ』(明治図書)という。
 
さて,この実践で中野くんは,友達同士で「アドバイスをする」ことの難しさについて触れている。
普通に考えれば,「アドバイス」というのは,「知っている人が,知らない人に」という非対称な関係で,水位差を利用して行われる。
 
しかし,同志会のグループ学習は「得意な子が苦手な子へ」という一方向のアドバイスをするわけではない。
苦手な子どもでも,得意な子どもの動きの事実を教えることはできる。
そこに役割が生まれる。
そのため,中野くんも書いているように「~できているか見てあげよう」と事実を伝えるということにした方がいいのだろう。
 
このことは実践を創るにあたって,非常に重要なことである。
というのも,子どもに見させる内容は,その授業で教師がもっとも教えたかったことと関わるからである。
この実践記録では,それがやや見えにくい。
というのも,この授業のグループ学習では,投げ方の違いを比較したり,よく投げる子どものうまさを発見することなどがねらいに置かれていたからだ。
 
では,投動作一般の話であるが,教えたいことを「動作の言葉」にすると何なのだろうか。
 
おそらく,彼の言葉でいえば,一つは,「踏み出した足に体重を乗せる」であろう。あるいは,「投げ終わった後に投げた手と同じ側の足を前に出す」でもよいか。
 
投動作は,投げる対象にあわせた体の動きをする必要がある。
ハンマー投げ円盤投げやり投げなどはそれぞれ対象が違い,それにあわせて投げ方が違う。
違うのではあるが,遠くへ投げる運動に共通する原則は,
 
「加速行程を長くすること」と「加速し続けること(リリース時にスピードがmaxになること)」
 
の二点である。
 
なので,立った位置からバトンを持つ手を後ろに引く長さを長くする。
さらには,リリースの位置を遠くにする。
この二つの長さが長くなることで,理論上は遠くへ投げられることになる(あくまでも理論上の話)。
 
そして,そのためにグループの仲間が,「事実を伝える」ことをしていったらいいのではないか。
「ここ(○cm)まで手が引けていた。」
「リリースポイントはここだった。」
「前回よりも前で投げられるようになった。」
など。
 
僕は現場に出ていないから,よくわからないので,やや無責任な書き方をしている。
が,彼の「これからの実践にいかして」(65頁)いってもらいたい,という思いはある。
 
京都の若手は,「こねこちゃん」といい,勉強会をやっている。
僕は,水曜日の夜は子どもにご飯を食べさせないといけないので参加できていない。
せめて,こういう形で書いてみたというわけだ。
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