体育とスポーツの日記

                      石田智巳が体育・教育,そして運動文化論と運動文化実践(主にランニング)について書いています。

わかっちゃいるけどやめられね。

子どもに言ってはいけない言葉「何やってるの!」

6月27日の金曜日に,新宿にある体育同志会の事務所近くで飲んでいたときのことである。
 
文脈は忘れたのだが、大貫さんが「ダブルバインド」という言葉を使ったときに、森さんが「ダブルバインドはいけないよ。病んでしまう」と応答した。
 
その日は、他に事務局の高崎さんと、理科大学の学生さんがいたので、ダブルバインドなる言葉の説明をした。
 
この言葉は、グレゴリー・ベイトソンという人によって提唱されたコミュニケーションに関わる理論である。今、これを書いているときに、念のためにググってみたが、やはりわかりにくい。抽象度を上げて書いてあるからだ。
 
「異次元の相矛盾する二つのメッセージを受け取った者が,行動不能に追い込まれた状態」(広辞苑)。
 
なんのこっちゃ。
 
森さんは次のような例をあげた。
「人の言うことを簡単に信じてはいけない。わかった?」
これはまさに、相矛盾する二つのメッセージである。
「はい」と答えても、「いいえ」と答えてもうまくない。
 
私がこの言葉に出会ったのは、矢野智司さんの『子どもという思想』を読んだときのことである。
きちんと覚えていないが、おそらく次のことが書かれていた。
 
子どもが悪いことをしでかした。大人はいつも、「正直に言いなさい。そうでなければ叱るよ」というメッセージを送っている。しかし,子どもは,だから「いわないと叱られる」と思うが,一方で,それを言えば言ったで,叱られることを知っている。
だから身動きが取れなくなる。
 
これがダブルバインド状態。
 
このダブルバインドにかかわって、学生に話していることを紹介したい。
 
「何やってるの!」というのは、子どもに向かって言ってはいけない言葉である。
大人と子どもは非対称な関係である。
 
なぜか?
 
それは,仲のいい友達に電話をして,「今なにやってるの~」と聞くこととは次元が違う。
 
この言葉は,「なんでそんなことするの!」を言外に含んでおり,怒りを込めてつかわれる。
 
そして,それは「そんなことをやってはいけないことがわからないのか!」という問いに転化される。
 
こどもが「わからない」といえば,「そんなこともわからないのか!」となる。
「わかる」といえば,「じゃあ,なんでやるんだ!」となる。
どっちにしても,問い詰められるだけ。
そう,要するに,親は「怒っているんだ」というメッセージを送っているだけなのだ。
だから,子どもは黙るしかない。
 
本当?
と懐疑的だという人は多いかもしれない。
でも、本当である。
 
私も娘に向かって言ったことがあり、娘は口を閉ざしてしまった経験を持つからだ。
 
親に,「なんで、そんなことをやったの!」と問われて,「だって,○○だったんだもん」と理由を言ったら,「言い訳するな」といわれるのも同じ。
 
気をつけたいが、まさに「わかっちゃいるけど・・・」、ね。
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