体育とスポーツの日記

                      石田智巳が体育・教育,そして運動文化論と運動文化実践(主にランニング)について書いています。

わかっちゃいるけどやめられね。

『たのしい体育・スポーツ』7.8月合併号を読む1

このブログを始めようと思った理由は,この『たのしい体育・スポーツ』を読んで,考えたことや思ったことを綴ろうと思ったからである。

最初は,FBでやろうとしたが,メディアとしては不適切。

何しろ,僕には友達が37人しかいないから。

そこで,グーグルやヤフーの検索にも乗っかってくるブログにしたというわけである。

 

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今月号の特集は,「陸上運動(競技)はおもしろい」である。

表紙には久保健(体育科教育学),等々力賢治(社会学・ビジネス論),山崎健(運動生理学),岡尾惠市(スポーツ史)などの著名な大学のセンセの名前が並ぶ。

それらのセンセの陰に隠れるようにして,僕も執筆している。

あくまでも,ひっそりと。

何を書いたのかというと,大学でやっている模擬授業のことである。

今日は,この『たのスポ』のうち,自分の書いた原稿と,表紙をめくった「今月の授業」とを絡めて,考えたことを書きたい。

 

そのまえに,たまたま昨日の昼休みにBKC(びわこくさつキャンパス)の支援センターで嘱託講師をしていただいている塩貝さん(彼の兄も執筆者)が来られた。

そこで,教育実習(保体)の訪問指導の話を聞いた。「やはり」というのか,学生の授業は,説明が長い割には伝わってないことが多いという。そして,運動の時間があまりに少ないとも。

実は,僕の授業でも,学生が行う模擬授業はしばしばそうなりがち(ならないように指導するわけである)。

模擬授業のねらいの一つは,子どもたちに説明や指示を適切に出して,子どもを動かすことである。

もう一つは,1時間の授業のデザインというか,流れである。

前者について書いておきたい。

学生の指導案を見ると,児童の活動に「実際に練習する」とか書いてあるから,じゃあ,「どんな場面を用意するのか」,「誰がどこでやるのか」,「誰からやるのか」「何回あるいは何分やるのか」,「何に気をつけてやるのか」,「終わったらどうするのか」が書かれていないことが多い。

また,ゲームとかだったら,1班と2班はどこでやって,終わったら次は1班は3班とどこでやるとかは,あらかじめ対戦表にしておけば楽なのであるが,それが抜けていて,ただ「ゲームをする」とだけ書いている。

また,サッカーなどのチームゲームであれば,練習のときに,ビブスの番号で,①から③までがOFで,④から⑤がDF。②がボールを持って始める。

次は誰が何をするのかは,小学校でいうところの掃除当番表のようなものをつくっておけばよい。

内側の円を一つ時計回りにずらせば,全員の役割が一目でわかる。

こんなことは,一度経験すればすぐにわかるのである。

ということを,僕の原稿の前段には書いてある。

要するに,無駄を省いて,学習の時間を確保することが大切なのだ。

 

表紙を開く。パサッ。

牧野さんの「今月の授業」を見て瞠目した。

「これやがな」(我が意を得たりということ)。

「田植えライン」とか「田植え走」とかいわれる50m走の実践である。

「50mのラインの向こう側に,コーンを置き,それにタッチするまでは,スピードを緩めないように指示します」。

「ストップウォッチの使い方,読み方,置き方」(具体は省略)

スタートの時に,「引く足を決めておく」。

50mの足跡調査では,「足あとを残すためには,きれいに掃きすぎない」など,若い人にはなかなか思いつかない「指示」の言葉がちりばめられている。

逆にこれらのスパイシーな指示がないと,「せんせー,どうするんですか?」のオンパレードで,グループ学習といいながら,授業の半分は対応に追われることになる。

これだけ読むだけでも価値があるが,それだけではない。

明日以降も,この号の実践の紹介をしていきたい。

なお,この号の実践は,持久走,短距離走,リレーなどの走運動と,バトンスロー(投擲),そして混成競技はあるが,跳運動がない。

まてまて。

ちゃんとある。

僕の原稿に。

あるグループの走り幅跳びの指導案の変化をおって書いている。

ぜひ,実践してほしいものだ。

続く。

 

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