体育とスポーツの日記

                      石田智巳が体育・教育,そして運動文化論と運動文化実践(主にランニング)について書いています。

わかっちゃいるけどやめられね。

ミドルスクール訪問

こんにちは。石田智巳です。

 

2月8日の金曜日は,2つのミドルスクールへ訪問をして,体育授業を見学してきました。

今日は最初の学校の様子を報告します。

では,どうぞ。

 

朝,娘を学校に送ってからロングビーチへ。

Dr. Williams とは朝9時に約束していたので,そのまま向かうと9時1分前に研究室に着いた。

そこから,車に乗せてもらって,Tustinというところまで行く。

Tustinはアナハイムの近くにあり,そこを南に行くとIrvineに出る。

そして,このあたりをオレンジカウンティという。

Irvineは大谷選手が住んでいるという噂を聞いたことがある。

Dr. Williams によるとあるスコットランド人がここで土地を買って事業を開始して,その人の名前がIrvineだったそうだ。

だから人の名前が町の名前。

さすがイギリス的な領主様という感じ。

 

さて,最初の訪問校は,Pioneer Middle School.

下の写真で前を歩くのが,Dr. Williams。

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彼はラグビーをこよなく愛するアイルランド人。

サッチャーの考えが嫌でアメリカに出て来たという。

いくら何でもそれはないと思っていたら,出身校に大学院がなかったということだった。

ちなみに,彼はOHIOでシーデントップに学んだという。

そのときに,故高橋健夫さんと一緒に学んだといっていた。

名前は覚えていなかったけど,こちらが説明したら,おそらくだけど間違いないとのこと。

中に入るとこんな感じ。

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この学校ははっきり言って,今までに訪問した学校の中で一番きれいな学校だった。

トイレを借りたら,そこに先生らしき人がいて,話しかけてきてくれた。

そのまま外に出たら,この先生が授業を見せてくれる先生だった。

日本人が見に来るということで,気づいて声をかけてくれたのだろうね。

本当に,フレンドリーな人が多い。

 

外にある体育の施設は,こんな感じ。

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さらに,上の写真の左手を見ると,

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この上の写真には,数字が書かれており,こういった数字のまとまりがあちこちに書かれている。

 

さらに野球やサッカーのできるフィールドがあるけど,そこにガチョウがガーガーいいながら飛んできた。

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授業が始まると,3カ所で授業が展開されていた。

仕組みはよく分かっていないが,とりあえずクラスの人数は多い。

このクラスは52人だった。

生徒は先の数字のところに集合する。

グループごとに縦に並ぶことになる。

ちなみに先生は,京都の塩貝さんに雰囲気が似ている。

最初に,先生がテニスボールを生徒に向かって投げて,取った生徒はまた先生に投げ返す。

全体が落ち着いてきたら,みんなでジョグへ行く。

f:id:tomomiishida:20190211053924j:plainその後,また戻ってジャンピング・ジャック,腕立て伏せ20回,そして下の写真のようにプランク

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それから,また走るのだが,工夫がなされている。

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これはわかりにくいかもしれないけど,外側に円を作るように立っている子どもたちがいて,内側にあるコーンをそれぞれのペアの子どもが走り,1周してきたら,外に立っている子どもが次に走る番となる。

これは時間で区切られているが,手を抜くこともできるし,頑張ることもできる。

ここまでがいわゆる体力づくりにあたり,ナショナルスタンダードでいえば,スタンダード3。

*ナショナルスタンダードと,カリフォルニアのスタンダードは違うのだが,そこは割愛。

 

次にバレーボールへと移る。

バレーボールの写真は撮っていない。

映像は撮ったのだが,それはここでは公開できない。

それでやっていたのは,ペアになって最初がアンダーハンドパス,次がオーバーハンドパス,そして,スパイク。

さらに僕らは日本ではツーメンといっていた,これらの組み合わせでできるだけつなぐというもの。

 

子どもたちは太った子どもが少なく,動きがキビキビしている。

バレーはとても上手い子どもと,なかなか厳しいという子どもがいるが,これはまあどこでも同じかもしれない。

そうして,集合がかかるのだが,いわゆるマネジメントの時間が短くて,なるほど「勢い」を感じる。

 

次の活動に移るのだが,「Four Corners」といわれるゲーム。

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これは上の写真でいえば,数字の四隅をベースのように見立てて4人が立ち,そのうちの二人が位置を入れ替わる。

今,62番と69番のところを走っている子どもが入れ替わっていているところ。

鬼役が一人いて,入れ替わるよりも先にベースに到達したら,鬼が交代というゲーム。

何年か前に,日本でもタスクゲームのようなのが流行ったけど,ああいった感じ。

これは結構盛り上がっていた。

さっきのバレーがスタンダード1で,これはコーポレイティブゲームのようでもあるが,結構頭を使うことになるので,スタンダード2ともいえる。

 

最後に,まとめをするのだが,先生がチュッパチャップスのような棒付きの飴をもっていて,子どもたちを指名していく。

今日優れた振る舞いをしていた人を言わせるのだ。

子どもたちは手を上げて,名前と理由をいう。

すると,その名前を言われた子どもに飴が与えられる。

これはナショナルスタンダードの4にあたるのだと思う。

 

これで終了。

ほぼ1時間。

授業が終わった後に,感想を求められた。

こういうのは苦手だ。

Great!というのは簡単だけど,何がGreatなのかを説明するのが難しい。

だから,日本ではバレーボールをやるならば,1時間の授業の中で,最初の内容を発展させることが多いのだが,そこに違いがあったこと,さらにFour Cornersをやる理由を訊いてみた。

 

そうしたら,生徒たちはコーチについたり,クラブに入ったりして,スポーツをやっているものが多くいる。

そのため,授業でバレーをさらにやると,子どもたちの中に差ができるというような話だった。

それで,スキルは要求しないけど,工夫したり,協力することでみんなが楽しめるゲームを行うということだった。

これは,アメリカの体育を少し勉強していると予想できる話だったけど,実際に指導している教師から話を訊くと納得がいく。

要するに日本の体育とは考え方が違うのだ。

 

なるほどと思うのは,スタンダードに沿ってねらいが明確であり,活動の一つ一つに意味があること。

 

バレーボールなどの球技を授業でやると,練習がゲームに生きないということはよくある。

そのため,練習をゲームに発展させているようで,しばしばねらいはどこかへ行ってしまい,単にゲームをやっているだけとなることは多い。

さらに,活躍する子と活躍できない子どもとに分かれることもよくある。

だから,バレーをやるならば,かなりの工夫が求められるけど,ここではスタンダード1にあるように,基礎的な動きやスキルを身につけることがねらいであって,競争的なスポーツを目的にしてはいない。

 

次の学校に行く前に,体育館を見せてもらう。

体育館は,カリフォルニアでもないところも多いようだ。

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1月2月は雨が降るけど,あとはほぼ降らないからというが,あるとやっぱり違うだろうね。

そこで思い切って,もう一度訪問して見せてほしいとお願いをしたら,来る前にテキスト(日本でいうCメール)をくれとのことだった。

これはラッキー。

 

ということで,今日の報告はこれまでにしておきます。

 

 

 

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